住民税決定通知書の「税額控除額⑤」の欄を見てるんだけど、ふるさと納税による控除を踏まえても2500円合わないよ。どうして?
調整控除額が含まれているからだよ
こんにちは。れっさーぱんだです。
ふるさと納税による控除が無事にできているかどうか、控除上限額(限度額)以上に寄付をしていないかの確認が、住民税決定通知書でできます。
市民税「税額控除額⑤」+県民税「税額控除額⑤」-(ふるさと納税の寄付金額-2000円)≠0
となるのはなぜなのか。
その理由となる「調整控除」について解説していきます。
会社員(未婚・扶養親族無)の場合
今回はこのOLちゃんを例にして見ていきます。
調整控除について
調整控除とは
所得税から個人住民税に税源移譲を行うことに伴い、所得税と個人住民税の人的控除(基礎控除、扶養控除等)に差があることにより税負担が増えないように調整するため、個人住民税の所得割額から一定額を控除するものです。
※令和3年度以降:合計所得金額が2,500万円を超える方は調整控除が適用されません。
東京都日の出町HPより引用
税源移譲って何?
地方分権を進めるために、国税(所得税)から地方税(住民税)へ税金
が移し替えられるんだよ。税源移譲によって所得税と住民税とを合わせた金額が変わることは基本的に無いよ
調整控除額の算出方法
個人住民税の課税所得金額200万円以下
次のうちいずれか少ない金額
1.所得税と個人住民税の人的控除額の差の合計額×5%
2.個人住民税の課税所得金額×5%
個人住民税の課税所得金額200万円超(2,500万円以下の場合)
{所得税と個人住民税の人的控除額の差の合計額-(個人住民税の課税所得金額-200万円)}×5%
※計算結果が2,500円未満の場合は、一律2,500円
まったく意味が分からないわ
ひとつずつ解説していくよ
個人住民税の課税所得金額とは
個人住民税の課税所得金額は、所得金額※1から所得控除金額を差し引き、千円未満を切り捨てた金額になります。
※1 所得金額には山林所得・分離短期譲渡所得などの様々な所得が含まれます。
所得は会社(1社)からの給与収入だけよ
OLちゃんのように会社(1社)からの給与収入のみの場合、
下記の写真の ①(所得金額)-②(所得控除金額)-千円未満の金額=③(個人住民税の課税所得金額)となります。
【OLちゃんの住民税決定通知書】
また、所得が給与収入(1社)のみですので「課税標準」の欄には「総所得③」欄のみ記載があり、他の所得の欄は0になっています。
「総所得③」の金額は240万円となっているわ
そしたら私は【個人住民税の課税所得金額200万円超】の方で計算すればいいのね
その通りだよ
人的控除とは
人的控除は人に関する所得控除のことです。
人的控除には基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除があります。
個人住民税の人的控除額は住民税決定通知書のココに書いてあります。
未婚で扶養親族もいないOLちゃんが該当する控除は「基礎控除」のみだね
基礎控除はだれにでも適用されるの?
ううん。合計所得金額2,500万円以下の人に適用されるよ
(※2,400万円超から控除額が逓減)
人的控除の種類と適用条件は、財務省 所得控除に関する資料に詳しく記載されています。
所得税と個人住民税の人的控除額の差の合計額とは
所得税・個人住民税それぞれに人的控除はありますが、その金額は異なっています。
それらの控除額の違いが「人的控除額の差」です。
【基礎控除の金額(合計所得2,400万円以下の場合)】
所得税 | 個人住民税 | |
基礎控除 | 48万円 | 43万円 |
→所得税と個人住民税で基礎控除に5万円差額があります。
人的控除額の一覧:財務省 所得控除に関する資料
実際に計算してみよう
用語の意味が分かってきたわ。実際に計算してみよう
【OLちゃん:個人住民税の課税所得金額240万円・未婚・扶養親族無の場合】
{所得税と住民税の人的控除額の差の合計額-(個人住民税の課税所得金額-200万円)}×5%
{5万円-(240万円-200万円)}×5%=-17,500円
計算結果が2,500円未満ですので、調整控除額は2,500円になります。
まとめ
住民税決定通知書で、ふるさと納税による控除が確認できます。
確認する際には調整控除額を計算にいれる必要があります。
特に「税額控除額の合計金額2,500円って何?」という方は、ぜひご自分の調整控除額を計算されてみてください。
以上「ふるさと納税の控除を「税額控除額」欄で確認。金額が2,500円合わないのはなぜ?」でした☆